本の紹介
官兵衛の本を紹介します~!
■智謀の戦国軍師「黒田官兵衛」 小和田哲男著 平凡社新書
本書のポイントは、著者の小和田哲男氏が大河の戦国ドラマで幾度も時代考証を務めている点。
非常に分かりやすい文体で通説ベースの話をしており、誰にでも分かる内容。
ただ、歴史好きには物足りないことは否めない。
いわゆる異説を紹介しているが、俗受けする内容が多く、ドラマ的?には面白い感じだが、
一次資料等から丹念に史実に迫る他書と比べると説得力をやや書くことも否めない。
ただ、官兵衛本を読み比べているが、本書が一番短時間で読めたのは事実。
歴史好きではないが大河好きといった方には最も適していると思う。
歴史考証をしている本としては、ミネルヴァ選書の同著者の本をオススメしておきたい。
■「黒田官兵衛 つくられた軍師像」 渡邉大門著 講談社新書
本書は、黒田官兵衛の実像について、一次資料を読み返し、近年の他者の研究成果も十分取り込むことで、新たな検証を行っている。
ありがちな大河便乗本とは若干色彩が異なる。
一次資料が若干多め。
ただし、ここだけの話だが、他の本を丸パクリしている記述も見られ、その点が若干残念。
■「キリシタン武将だったんだよ、黒田官兵衛-軍師官兵衛の実像 天の巻-」
上記のお二人は歴史学者であり、史料に基づいて検証をしていくスタイルをとられていたので、
基本的にそのスタイルは踏襲した。
ただ、それだと退屈だと感じられる方もおられると思うので、知識レベルは落とさずに、
できるだけ「著者を含めた現代人の私たちと、官兵衛との対話・比較」という視点を盛り込んで、
官兵衛という一人の人間を等身大で描こうとした。
キリシタンであった官兵衛にスポットを当てているとはいっても、
キリスト教の教理などに知識がないと、聖書の一節を紹介されても、興味が沸かないと思うので、
できるだけそれを避けている。
それから、電子書籍なので200円前後と非常にリーズナブルになっている点は類書と異なる(1,000円以上するのが普通だ)。
う~ん・・・読むか読まないかは、あなた次第!Google playからダウンロードしてください!
(つづく)
日本史を中心に、そのときどきに応じて、仕入れたことを書いていきます。基本的に史実に忠実にして、ウソがない前提で、遊んでいます。 ここ最近は、戦国時代~江戸時代初期です。 NHK大河「軍師官兵衛」の主役である黒田官兵衛を中心に書いていきます。 官兵衛のことを、もっと知ってほしい!!!
2014年1月11日土曜日
2014年1月6日月曜日
私は生涯一人の妻しか持ちませんでした、私は「これ」で会社を辞めました(小指)!特集(その4) 千姫のその後
○本多忠刻(千姫の夫となった人)
この人、誰?と思われた方もおられると思うが、よく大坂の陣で悲劇の姫として描かれる千姫の夫である。大坂の陣のあとに千姫と結婚した。彼は、側室をおいていない。それは、将軍家への気遣いだったのかも知れない。
慶長元年(一五九六)、後の姫路藩主・本多忠政の長男として生まれる。祖父は本多忠勝。大坂夏の陣では忠政と共に出陣し、慶長十九年(一六一五)の道明寺の戦いにも参加して敵の首級を挙げている。戦後の元和二年(一六一六)、徳川家康の孫娘で豊臣秀頼の正室だった千姫と婚姻した。家康が臨終の際に、政略結婚の犠牲とした千姫のためを考えて、忠刻やその生母に婚姻を命じたとする逸話もある。
この時、津和野藩主・坂崎直盛(旧名 宇喜多詮家(宇喜多秀家のいとこ)が輿入れの行列を襲って千姫を強奪する計画を立てていることが発覚し、直盛は自害(もしくは家臣により殺害)、坂崎氏は改易処分となった(千姫事件)。
坂崎直盛(宇喜多左京亮)を改易したい幕府側の陰謀だったかもしれない・・・なんで、千姫の輿入れを坂崎が妨害しなきゃいけないのか。合理的な理由が見当たらない・・・不自然。
この時、津和野藩主・坂崎直盛(旧名 宇喜多詮家(宇喜多秀家のいとこ)が輿入れの行列を襲って千姫を強奪する計画を立てていることが発覚し、直盛は自害(もしくは家臣により殺害)、坂崎氏は改易処分となった(千姫事件)。
坂崎直盛(宇喜多左京亮)を改易したい幕府側の陰謀だったかもしれない・・・なんで、千姫の輿入れを坂崎が妨害しなきゃいけないのか。合理的な理由が見当たらない・・・不自然。
千姫との間には、結婚して二年後に元和四年(一六一八)に長女・勝姫(池田光政室)、元和五年(一六一九)には長男・幸千代が生まれている。夫婦仲はよかったのか知れない。しかし、元和七年(一六二一)に幸千代が三歳で早世し、忠刻も寛永三年(一六二六)に結核のため亡くなってしまった(享年三十一)。
なお、宮本三木之助(二十三歳)は忠刻の供をして殉死し、その他に岩原牛之助(二十一歳)も殉死した。忠刻は忠政の世子だったが早世したため、弟の政朝が世子となって姫路藩第二代藩主となった。
家康や秀忠が、千姫の幸せを願い、幸せな結婚生活にふさわしい相手として選ばれたのだろう。夫、忠刻もその期待に応えて、千姫に女性としての幸せともたらしたのだった。